2013.10.21 カテゴリー : [001]展示場日記
「火」に注目し「点火」してみましょう。
~火起こし体験行います~
猿と人の違いは、直立二足歩行と道具・火・言葉の使用だと小学校で習ったものです。
人が火を利用するようになって、社会的進化は急激に早まり、そして、火を調理に使い、暖を取り、獣から身を守るのに使い、それにより個体数を増やしていきました。火を使った料理は、タンパク質・炭水化物の摂取を容易にし、夜間に行動が出来るようになり、寒冷地に住めるようにもなりました。火は人間の生活の中で非常に大きな地位を占めるようになり、水の供給と共に火を起こすための燃料の確保は、全ての時代において政治の基本となっています。
便利になった現代においては、自分自身で火を確保せずとも、いつでも火を手に入れられ、不便さを感じることはありません。ふと考えると、ライフラインが途絶えた時、自ら熱源を確保したり、灯りを確保したり出来るのかしらと便利過ぎて不安になったりして・・・
経験しておくと、何かの時に役に立つものです。
今年のBESS北九州展示場は、薪ストーブの炎の前に、自らの手で「火起こし」を体験できるイベントを実施します。
イベント内容はこちら。
http://kitakyushu.bess.jp/event/exhibit/20131018_89498.html
まだ、マッチもライターも無かった時代の火の起こし方として、石を打ち合わせて火花を起こす方法と、木をこすり合わせて摩擦熱から火を起こす方法がありました。
今回、木の摩擦熱による点火を、4つの方法で試しています。
①きりもみ式
火起こしの一番シンプルな方法です。30~40分ほどかかると思われます。
火きり板(火きり臼)のくぼみに火きり棒(火きり杵)を差し込み、両手で持ちこすりながら下の方へ押し下げます。体力勝負!!
②まいぎり式
火起こし入門に最適。弾み車で回転力が高いので早くから煙が出ます。
早い人は2分で火が点きます。
③ゆみぎり式
弓なりになった棒に張った紐を心棒を中心に善後に動かし火をつけます。
コツをつかめば、まいぎり式より早いとも言われます。
④ひもぎり式
二人で協力して火起こしします。
一人が保持棒を持ち、独りが火きり棒に巻きつけた紐を左右に引いて棒を回転させます。
どの方法でも摩擦がすすむと、焦げ臭い匂いとともに白い煙が上がります。
黒い削りかす(炭粒)が溜まってきたら、最後の力を振り絞って回転を速くします。
黒い炭粒の中に赤い火種の粒が出来ます。
あらかじめ火きり板の下に敷いた紙などに落とし、くずと火種を一緒に麻布に慎重に移して、ゆっくり吹いたり、振ったりして火にします。
4つの種類を試しました。
楽なのは、まいぎり式です。
火が点いたら拍手喝采なのは、きりもみ式です。
火に質の良し悪しはないのですが、自分で点火した火は特別です。
便利なのは有難いことですが、便利になり過ぎて個人がしなくなってしまったことをやってみるのも、たまには良いものです。
お試しください。
思いのほか楽しいです。
※お子様だけでは危険です。必ず消火用に水をご用意ください。
◆まいぎり式です。もともとは穴をあける為に考えられたもので、江戸時代になって使われ始めた方法だとか。
◆きりもみ式です。火起こしという思い出す光景ですよね。縄文時代から行なわれていた火起こしスタイルです。